基盤研究C「インフレーションが経済成長に与える影響に関する定性・定量分析 」

研究期間:2014年4月〜2021年3月

研究代表者:古川雄一(中京大学)

 

 

研究成果(2018年度)

 

 

 

金融政策が経済成長に与える影響について定性・定量両面から分析を行った。そのために、企業が研究開発(R&D)投資を行う際、事前にある程度の現金を保有している傾向がある(Cash-in-advance 制約)という実証結果に従い、インフレーションをイノベーションに基づく内生定期市長モデルに組み込んだ。大きく2つの分析を行った。

  1. 1つは、インフレーションが先進国から途上国への技術移転に与える影響を見たもので、途上国の高いインフレ率が、技術移転を滞らせ、国際間の賃金格差を長期的に拡大させる可能性などを明らかにし、アメリカのデータを使って定量分析も行った。
  2. もう1つは、インフレーションが経済成長と所得格差に与える影響を見たもので、企業の市場への参入行動を考慮すると、インフレーションが、経済成長と所得格差に対していわゆる逆U字型の効果を持つことを定性的に示した。さらに、成長を最大にするインフレ率と格差を最大にするインフレ率を、データとマッチさせるようにモデルをカリブレートし、経済厚生を最大化するインフレ率の値について分析を加えた。

これらの研究成果は国際的に定評のある査読付き学術雑誌に掲載されたか、あるいは、ディスカッション・ペーパーとして公表されている。この研究に加えて、本研究計画の発展に新たな方向性をもたらすような、国民性のマクロ経済への役割など注目したいくつかの論文を執筆、ディスカッションペーパーとして公開した。なお、以上の研究成果の大部分は、所期の計画通り、国際共同研究に基づいて進行している。共同研究先は、復旦大学(中国)、ザンクトガレン大学(スイス)、中国文化大学(台湾)、IESEG 経営大学院(フランス)などが含まれる。

 

公刊論文 (2018)

 

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